本日の講師のおふたりと丹下さんとの関係について、ご紹介したいと思います。
神谷先生は丹下先生が主催する組織に1952年から1972年まで在籍し、数々の名作の設計に携わってこられ、この「香川県庁舎」も担当されました。
藤森先生は丹下健三研究の第一人者であり、評伝「丹下健三」を執筆されています。
まず最初にこの講演会に至るまでの経緯を少しご紹介したいと思います。香川県建築士会高松支部青年部会では、毎年同世代の若い建築家をお招きして、建築に対する考え方などについてご講演いただいておりますが、5年前の香川県庁舎竣工50周年の折に、藤森先生にお越しいただき、「香川県庁舎と丹下健三」ということで話をしていただきました。
今年は丹下健三生誕100周年ということで、再度、藤森先生にお越し頂き講演をお願いしたいと計画を進めていたところ、先ほど説明がありましたように、本年、瀬戸内国際芸術祭の夏の会期において丹下健三の展覧会を企画があることを知りました。実は、丹下健三ほどの建築家なのに展覧会はこれまで一度も行われていないので、世界初の丹下健三の展覧会になります。そのメンバーに神谷先生が含まれていまして、ぜひ一緒に話をしお伺いしようということで、今回の講演会の開催となりました。
当初は、丹下健三生誕100周年ということで、丹下健三という建築家について俯瞰的に見て網羅的な話をしようと思っていましたが、ここにある抜粋した経歴を見ても分かるように、とてつもない作品量とクオリティーを保っていますので、とにかく『丹下健三とはどんな人だったのか』ということを知っていただくことと、それから、『「香川県庁舎」がどのような価値のある建築なのか』ということを中心に今日は進めていきたいと思います。両先生よろしくお願いします。